一眼レフの売上って正直やばいです。救世主と言えるミラーレスも思ったほどの伸びを見せずにカメラ業界自体がピンチ状態。
一眼レフとミラーレスの今後は衰退でしょうか。それとも撤退?もしくは進化するのか?解説します。
一眼レフの今後について
一眼レフとミラーレスの総出荷数について。カメラ業界の現状
【世界のカメラの出荷台数】
※グラフ左の単位は千。このグラフはCIPAのデータを参考にグラフ化しています。
一眼レフとミラーレス、コンパクトデジカメの総出荷数については上記の表のとおりです。
一眼レフの出荷台数は年々減少中
一眼レフの出荷台数は年々減少傾向です。
2012年には16,200,000台だったのですが、2018年には6,621,000台に激減しています。グラフ化はされていませんが、2019年はさらに酷い状況に陥っており前年比80%は切る勢いです。
ミラーレスの出荷台数については、2012年に3,957,000台から2018年に4,139,000台になっており徐々に市場が拡大していることが分かります。
ただし、一眼レフやコンパクトデジカメの市場縮小を補えるほどのレベルではなく、デジタルカメラ市場の急激な市場縮小が伺えます。
一眼レフ、ミラーレスの売上について
【世界のカメラの売上高】
※グラフ左の単位は百万円。このグラフはCIPAのデータを参考にグラフ化しています。
一眼レフ、ミラーレスの売上については上記の表のとおり年々減少が続いています。
売上は一眼レフは激減。ミラーレスは伸びている
一眼レフについては、2012年の527,943,000,000円から2018年んは297,302,000,000円に縮小しています。市場規模は3000億円を切っており毎年減少をつづけています。
ミラーレスについては、2012年の125,220,000,000円から272,447,000,000円となっており市場が大きく成長していることが分かります。今後の成長が期待されます。
ただし、デジカメ全体の市場としては2012年の1,468,115,000,000円から2018年の729,144,000,000円になっており、市場規模はほぼ半額となっています。
一眼レフの市場は今後衰退や撤退が増える
今後の予想としては一眼レフ市場はかなり厳しいと考えられます。はっきり言って二眼レフやフィルムカメラのようにニッチなジャンルになっていくと思います。
「写真を撮る」という目的から「写真を楽しむ」というジャンルに変わりつつあると考えています。つまり「一眼レフが好き」という人にしか売れなくなる可能性があります。
これはやはりスマホの影響が大きいです。スマホの性能自体が上がり、スマホで満足するユーザーが増えました。
さらにミラーレスの性能も上がり、スマホの受け皿としてはミラーレスが担うようになりました。
一眼レフはいずれなくなると考えている
今後さらにスマホやミラーレスが進化した場合、一眼レフはなくなると考えています。
画質や機能面でミラーレスに対して優位に立て無くなれば当然、大きくて重たい一眼レフは実用性がなくなります。
今後その流れは加速すると考えています。
キヤノン会長がデジカメ市場は今後2年で半分になると予測しています。
キヤノン会長が予測した通り年間80%~70%程度の速度で市場は縮小しています。
形あるものはいずれなくなりますが、私たちが予想しているよりも早く、一眼レフは市場からなくなる可能性がありそうです。
今後期待されるのはミラーレス市場
一眼レフ市場は暗い話ばかりでしたが、ミラーレス市場は好調で今後期待です。
ミラーレス市場は堅調に推移
ミラーレス市場については、上の項目でも触れましたが好調です。
デジカメについては国内で一眼レフの出荷台数をミラーレスが超えました。
フルサイズミラーレスに注目が集まっている
ミラーレスが好調なのはフルサイズミラーレスが好調であることです。
特にSonyのフルサイズミラーレスが好調です。α7Ⅳなどのα7シリーズが特に人気を呼んでおり、今後も成長が見込まれます。
ニコンやキヤノンも続々とフルサイズ機を投入しており、一眼レフの次世代機として注目が集まっています。
スマートフォンからの受け皿的存在に
ミラーレスについてはフルサイズだけではなく入門機も好調です。キヤノンのKissシリーズを初め多くの入門機に注目が集まっています。
インスタなどのSNSが活況で写真への関心度は非常に高く、スマホで満足できないユーザーが流れてきていると思われます。
堅調に推移しているが、市場の成長は今一つ。
ただし、ミラーレスは堅調に市場を伸ばしていますが、デジカメ全体の市場を支えられるほどの伸びを示していないのが実情です。
デジカメ市場としては縮小傾向です。ミラーレスは爆発的な人気を出しているわけではないのが実情と言えます。
高付加、高単価商品の発売が主流になる
今後のカメラ業界の流れとしては高付加、高単価商品の発売が主流になると思います。
高付加とは、フルサイズミラーレス独自の技術でより高い性能のカメラが発売され、それに併せてより高性能なレンズが発売されると思われます。
例えばニコンであればF0.95という高性能レンズを発売が予定されています。キヤノンであればF2通しのズームレンズの発売など今後より競争が激化すると考えられます。
デジカメの出荷台数が減ることから、一つひとつの商品の質を上げて価格を上げていく戦略にシフトしくと思います。
レンズの充実がカギ
現在のフルサイズミラーレスの弱点としてはレンズの品ぞろえが悪いということです。
キヤノンであればフルサイズミラーレス用のRFレンズの品ぞろえが悪く、EFレンズも流用しないと拡張性は十分とは言えません。
投資額は大きくなりますが、RFレンズをいち早く発売していくことが戦略のカギとなるでしょう。
カメラ会社は独自技術を活用することが生き残るカギ
キヤノン、ニコン、オリンパス、ソニーなど様々なカメラ会社がありますが、それぞれの独自技術を活かした活動をすることが今後生き残ることのカギだと思います。
例えばキヤノンであればプリンタ業界や自動車のカメラへシフトしたり、オリンパスであれば医療用カメラの技術開発、ニコンは宇宙への技術などそれぞれの強みを活かすことが大切です。
デジタルカメラ市場が小さくなっても生き残れるような道筋を示していく必要があります。
管理人の個人的見解。カメラ企業はスマホ市場参入してみては?
ここからは管理人の個人的な見解をまとめてみます。個人的な意見としては、カメラ企業はスマホ市場へ参入してみてはどうでしょうか?
そもそもスマホは「コンパクトカメラ」という位置づけと考えている
スマホは以前はカメラとしての機能は良くありませんでした。また、カメラに求められる水準も低かったと思います。
しかし、近年スマホが劇的に進化を遂げてコンパクトカメラを超えるスマホが多数出現しました。
そのため、スマホというのはもはやコンパクトカメラの役割を担っていると言えます。
そのため、デジカメメーカーはスマホ市場へ参入してみてはどうでしょうか?デジカメメーカーとしての強みを活かした独特なスマホを投入すれば、需要は大きく取り込めるような気はします。
熟成市場だが、出荷台数が桁違い
【2018年出荷台数】
- スマホ 14億5600万台
- デジカメ 1940万台
スマホ市場は熟成市場で成長はやや鈍化しています。しかし、デジカメ市場と比較すると比べ物にならないほど大きな差があります。
スマホは全世界で年間14億台以上売れています。対してデジカメは1940万台にとどまっています。
市場規模としてはかなりの差があることが伺えます。スマホ市場はまだまだ可能性がありますから、デジカメからスマホへシフトしてみてはどうかな、と考えています。
「スマホ連動」から「スマホ化」
また、一眼レフやミラーレスはよく「スマホ連動」を売りにしています。一眼レフやミラーレスからスマホに転送してSNSへ、という流れですね。
しかし、いちいちスマホを挟むのが面倒だと感じている人が多いのも事実です。
スマホを挟むとスマホの容量を気にしたり、一眼レフを持ったままスマホを操作したりと正直面倒です。
そういった手間をなくすためにも「カメラのスマホ化」という新しい方向性を出すこともできるのでは?と考えています。
カメラから直接LINEやSNSに投稿してシェアできるようになったら初心者はかなり便利になると思います。
新たな市場創造が大切
「カメラのスマホ化」については賛否あるかと思いますが、大切なのは色々なことに積極的に挑戦していくことかと思います。
チェキが流行ったように、今の時代何が流行するか分かりません。
カメラメーカーは様々な挑戦を続けて継続的に市場を創造することが大切だと考えています。