一眼レフカメラなどには様々な撮影モードがあります。
今回はプログラムオート(AE)モードの使い方と、オートとの違いを解説します。
プログラムオート(プログラムAE)とは?
プログラムオートとは、被写体の明るさに応じてカメラが絞り値(F値)とシャッタースピードを自動的に設定するモードのことです。
プログラムオートに設定するには、一眼レフカメラのモードダイヤルを『P』に合わせます。その後ピントを合わせシャッターボタンを押して写真を撮ります。
プログラムシフトで設定を簡単に変更できる
プログラムオートにはプログラムシフトという機能があります。
プログラムオート使用時は絞り値(F値)とシャッタースピードが自動的に決定されます。プログラムシフトを使うと、この絞り値(F値)とシャッタースピードの組み合わせを変えることが出来ます。
ということで早速プログラムシフトを実際にやってみました。今回はニコンD3300とシグマ30mmF1.4レンズでテストします。
まずはプログラムオートで普通に起動するとシャッタースピード1/160とF6.3という組み合わせになりました。この設定ですと無難な写真というか、失敗しない写真にはなるかと思います。
しかし、自分の意図した写真になるとは限りません・・・。そこでプログラムシフトを使ってシャッタースピードと絞り値(F値)の組み合わせを変えてみたいと思います。
プログラムシフトは、ダイヤルを回すことで設定することが出来ます。ニコンの場合は右に回すとシャッタースピードは速く、絞り値は小さくなります。逆に左に回すとシャッタースピードは遅く絞り値は大きくなります。
まずは、右に回して絞りを開放してみました。設定は1/3200とF1.4になりました。
絞り値がF1.4ですので背景は大きくボケます。
今度は逆にダイヤルを左に回して絞りを絞ってみました。設定はシャッタースピード1/50とF11の組み合わせです。
F11ですので、背景もくっきりとなりましたね。このようにして、プログラムシフトを使えば背景のボケの調節やシャッタースピードの調節も思いのまま設定することが出来ます。
プログラムオートとオートとの違い
プログラムオートとオートの違いは次の通りです。
設定項目 | プログラムオート | オート |
絞り | カメラが決定だが、変更可能 | カメラが決定 |
シャッタースピード | カメラが決定だが、変更可能 | カメラが決定 |
ISO感度 | 変更可能 | カメラが決定 |
フラッシュの有無 | 変更可能 | カメラが決定 |
ホワイトバランス | 変更可能 | カメラが決定 |
露出 | 変更可能 | カメラが決定 |
フラッシュ調光 | 変更可能 | カメラが決定 |
測光モード | 変更可能 | カメラが決定 |
AFモード | 変更可能 | カメラが決定 |
プログラムオートは絞りとシャッタースピードのみカメラにお任せしてその他の設定は自分で変更することが出来ます。もちろんその他の設定もカメラにお任せにすることも可能です。
対して、オートですと、その2点以外にもISO感度、フラッシュの有無、ホワイトバランス、露出、フラッシュ調光、測光モード、AFモードなどもすべてカメラが決定します。一見便利なように感じるかもしれませんが、全てカメラ任せになってしまい、撮影者によって設定できる項目が激減してしまいます。
初心者の方はオートを選んでしまいがちですが、プログラムオートの方が使い勝手は良いと思います。
プログラムオートの弱点
便利で優秀なプログラムオートですが、弱点もあります。それは、撮影者の思い通りの写真を撮ることが難しいという点が挙げられます。
確かにプログラムシフトを使えば、シャッタースピードや絞りを変更することが可能です。しかし、プログラムシフトは被写体の明るさが変わった場合にシャッタースピードや絞りが自動で変更されてしまいます。
そのため、ここはF2.8で撮りたい!といった場合や、シャッタースピード1/1000秒で撮りたい!といった場合、プログラムシフトで設定したとしても、被写体の明るさが変わると、それらの設定がカメラに勝手に変更されてしまいます。
ですので、私は初心者の方であればプログラムオートよりも絞り優先モードかシャッタースピード優先モードの方が良いと思います。絞り優先モードであれば、絞り値は撮影者の任意で設定できますし、シャッタースピード優先モードであれば、シャッタースピードを撮影者の任意で設定することができます。
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ボケをコントロールするなら絞り優先AEがおすすめです。
被写体のブレをコントロールするならシャッタースピード優先モードがおすすめです。
思い通りの写真を撮るならマニュアル撮影がおすすめです。
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