シャッタースピードは、一眼レフを購入したばかりの人には良く分からない言葉かもしれません。
「うーん・・・シャッターのスピードでしょ?けど実際のところ良くわからない」というような感覚ではないでしょうか。
この記事を読めば、シャッタースピードの仕組み、写真はどう変わるのかが分かるようになります。
シャッタースピードを理解して、ワンランク上の写真を目指しましょう!
目次
シャッタースピードとはシャッターが開いている時間のこと
シャッター速度(英: Shutter speed )は、カメラによる写真撮影の際、シャッターが開放され、フィルムまたは撮像素子がレンズを通した光にさらされる(露出する)時間(露光時間、シャッタースピード、「SS」とも略される)をいう。 この時間が短いほどシャッター速度が速い、長いほどシャッター速度が遅いという。wikiより。
これはwikiからの転載です。つまりシャッタースピードとは、シャッターが開いている時間のことです。
シャッタースピード優先について
シャッタースピード優先で撮影するにはモードダイヤルをSに設定しましょう。
キヤノンなどのメーカーではシャッタースピード優先はTvで設定することができます。シャッタースピード優先モードについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
実際のシャッターを見てみる
シャッタースピードについては、文字だけではわかりにくいと思いますので、実際に写真を見てみましょう。
一眼レフについているレンズを取り外した状態のカメラです。
シャッターボタンを押すと・・・
このようにシャッターが開いて奥のセンサーに光が届きます。奥のセンサーに光が届いている時間をシャッタースピードといいます。
シャッタースピードの変化の仕方・単位について
シャッタースピードは1/15や、1/30というように表記されます。いずれも単位は『秒』で、1/15であれば15分の1秒だけシャッターが開いている、という意味になります。
1/30から1/15に変えることを「シャッタースピードを1段遅くする」といってシャッターの開いている時間は2倍になります。シャッターの開いている時間が2倍になったので、レンズを通して入ってくる光の量も2倍になります。
1/15から1/30に変えることを「シャッタースピードを1段速くする」といってシャッターの開いている時間は半分になります。シャッターの開いている時間が半分になったので、レンズを通して入ってくる光の量も半分になります。
シャッタースピードの目安
撮影場面例 | 三脚の必要性 | |
30秒 | 星空 | ◎ |
10秒 | 夜景 | ◎ |
1秒 | 夜景 | ◎ |
1/8 | 夜景 | ◎ |
1/30 | 暗い室内 | ◎ |
1/60 | 室内 | 〇 |
1/125 | 使い勝手が良い | × |
1/250 | 走っている子供 | × |
1/500 | ダンスの撮影 | × |
1/1000以上 | 動きの速い動物 | × |
シャッタースピードの目安について表でまとめてみました。
30秒や1秒などでは光は多く取り込めるため、星空や夜景の撮影で活躍します。しかし、手振れの防止として三脚が必須になります。
1/60秒のシャッタースピードでは薄暗いシーンでの撮影に対応可能ですが、やはり手振れはしやすく注意して撮影する必要があります。
1/125秒くらいになると手振れの心配はなくなります。個人的には一番使い勝手が良いシャッタースピードだと思います。
1/250秒では動きの速い子供の撮影などで活躍します。運動会ではこれくらいのシャッタースピードは必要です。
1/500秒ではダンスの撮影などで活躍します。
1/1000秒以上では動きの速い動物や鳥の動きを捉えるのに便利です。鳥類の撮影では1/4000秒などの超高速なシャッタースピードが求められる場合もあります。
速いシャッタースピードの特徴
さて、小難しいシャッタースピードの説明はこれくらいにして、シャッタースピードの実例を見てみましょう。まずは、速いシャッタースピードの特徴から説明していきます。
一瞬を切り抜ける
速いシャッタースピードは一瞬を切り抜くことができます。イルカのジャンプや、スポーツ、乗り物が走っている様子をシャープに写したい時に有効です。
暗いシーンが苦手
速いシャッタースピードにするときには暗い場所での撮影は特段の注意が必要です。シャッタースピードを1段速くすると光の量は半分なります。
暗い場所でシャッタースピードを無理に速くすると全体的に暗い写真になってしまいます。その典型的な失敗例はこちらです。
ペンギンの泳いでいる姿をぶれずに撮ろうとしてシャッタースピードを1/2000秒に固定して撮影しました。1/2000秒という高速シャッターのため、光の量が足りずに全体的に真っ暗な写真となってしまいました。
このように、暗い室内や夜などではシャッタースピードを速くしすぎないようにしましょう。
遅いシャッタースピードの特徴
被写体の動きを強調出来る。
遅いシャッタースピードは肉眼では見ることができない、被写体の動きを強調した面白い表現が可能です。
こちらはシャッタースピードを2秒に設定して撮影しました。よく雑誌やパンフレットでは滝や川はこのように表現されることが多いですよね。
こちらはシャッタースピードを12秒で撮影しました。三脚とレリーズを準備して撮影しました。
暗いシーンに有利
遅いシャッタースピードは光の量をより多く取り込むことができます。肉眼では捉えられないような小さな光も表現することが可能になります。
遅いシャッタースピードが良く利用されるのが星空の撮影です。天の川などは、肉眼ではぼんやりとしか見ることができませんが、適切な設定を行えば綺麗に撮影することができます。こちらはシャッタースピード3秒で撮影しています。
ブレに注意が必要
遅いシャッタースピードの場合は写真のブレに注意が必要です。写真のブレには被写体ブレと手振れの2種類があります。
手振れ
やや暗いシーンでよく発生します。手振れの特徴は写真全体がブレているような状態になります。手振れの対策は、ISO感度を上げる、絞りを開く、フラッシュを使う、三脚を使うなどが挙げられます。
上の写真は流れる水を線のように表現しようとした写真ですが、三脚を使用しませんでした。そのため、手振れが発生して失敗写真となってしまいました。
被写体ブレ
被写体ブレは、被写体のスピードが速すぎて被写体がブレてしまっている状態です。手振れは写真全体がブレるのに対し、被写体ブレは被写体のみがブレている状態です。
被写体ブレの対策は、ISO感度を上げる、絞りを開く、フラッシュを使うなどして、シャッタースピードを少しでも速く設定しましょう。
上の写真はシャッタースピードが遅すぎたため、動いている被写体がブレてしまっています。
シャッタースピード以外のカメラの用語について勉強してみましょう。
【おすすめの記事】
ISO感度、絞り、シャッタースピードがわかれば、マニュアル撮影ができます。マニュアル撮影の方法についても勉強してみましょう。