デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼を購入するときにレンズキットをセットで購入する人は多くいます。
たしかにレンズキットは安くてお得というイメージがあります。しかし、実際にはどうなのでしょうか?
目次
レンズキットとは
レンズキットはデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼を購入する際にメーカーがセットで販売しているレンズのことです。
デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼によってセットとして付いてくるレンズは様々です。
キャノンであればEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM、ニコンであればAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRといったレンズがセットになる場合が多いです。
レンズキットは暗いシーンに弱い
レンズキットは暗いシーンに弱いです。
レンズの暗いシーンでの性能はF値という数値によって決まります。F値が低いレンズほど暗いシーンに強くF値が大きいほど暗いシーンに弱いと言えます。
レンズキットのほとんどは、F5.6といったようにF値が大きいものがほとんどで暗いシーンは苦手なものが多いです。暗所や室内での撮影シーンを想定している人は注意した方が良いでしょう。
私は2月に地元のお祭りの撮影をしてきました。その際はニコンのレンズキット+D3300の組み合わせで撮影をしていましたが、午後6時ころの明るさで『被写体が暗すぎます』と警告が表示されて撮影が出来なくなってしまいました。
暗すぎますと表示されたためシャッタースピードを落として撮影することになりぶれぶれの写真を量産してしまいました。残念。
ちなみにF値の数値に対するイメージは次の通りです。
F1.4未満 | 暗いシーンにかなり強い |
F1.8 | 暗いシーンに強い |
F2.8 | 標準的 |
F4 | 暗いシーンはやや苦手 |
F5.6以上 | 暗いシーンはとても苦手 |
レンズキットは背景ボケが苦手
レンズキットは背景ボケが苦手です。
焦点距離にもよりますが基本的に、レンズの背景ボケ性能はF値の数値によって決まります。
F値が小さければ小さいほど、ボケは大きくなります。
この写真はF5.6で手前のダンボー君にピントを合わせていますが、背景はあまりボケていませんよね。一般的なレンズキットですとこれくらいのボケが限界です。
なお、カメラの背景ボケについては、一眼レフカメラで背景がボケた写真を撮る5つのテクニックでも説明しています。
レンズキットはあまりズームできない
レンズキットのズーム性能はあまり良くありません。
デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼のズーム性能に期待しているのであれば購入は避けた方がいいでしょう。
キットレンズのズーム性能のイメージは次の写真の通りです。
キットレンズの広角側で撮影するとだいたいこれくらいの画角で撮れます。
キットレンズでズームしてみると・・・
おおむねこれくらいまでズームが出来ます。
普段使いには便利な画角ですので、扱いやすいと言えば扱いやすいですが特段ズーム性能が良いというわけでもないです。
レンズキットのメリットは価格
レンズキットの最大のメリットは価格です。本体と同時購入が前提の価格設定となっています。
そのため実質の価格がかなり低く抑えられている場合が多いです。
単品で購入すると1万5千円くらいするのに、セットで購入すると数千円代で購入することが可能な場合もあります。
『レンズキット』で購入してすぐにレンズをオークションで売ることも検討する
性能としては微妙なレンズキットですが、本体のみで購入するよりもレンズキットを購入した方がお得になる場合があります。
少し裏技的な方法ですが、もしレンズキットをお得に入手できるのなら購入後にレンズだけオークションに出品してしまうことも検討してみましょう。
『カメラ本体のみ』と『カメラ+キットレンズ』の価格差をチェックする
『カメラ本体のみ』と『カメラ+キットレンズ』の価格差を必ずチェックしましょう。もしその価格差があまりないのであればお得に購入するチャンスです。
オークション相場サイトでレンズの落札相場をチェックする
オークション落札相場サイトでキットのレンズの落札価格を調べましょう。
その際にキットのレンズの落札価格が『カメラ本体のみ』と『カメラ+キットレンズ』の差額よりも大きい場合は、レンズキットを購入してレンズだけオークションで売りぬきましょう。
例えば・・・
『カメラ本体のみ』の価格が5万円
『カメラ+キットレンズ』の価格が5万3千円
『レンズの落札価格』が1万円
という条件であった場合は、カメラ本体のみ購入するよりもレンズキットを購入してレンズを売った方が7000円お得にカメラを購入することが出来る計算になります。
また、無理に売らずにキットレンズの性能を実際に確かめてみて、気に入れば使い続ける、気に入らなければ売ってしまうという考え方でも良いですね。
オークションで売る際のデメリット
オークションで売るのには手間がかかります。出品画像や説明を作成したり商品の箱を用意したり・・・。正直手間暇かけるのが面倒です。
あとは、相場通りに落札されないこともあるという点も注意が必要です。急に新製品が発売になって落札価格が急落することもあります。
おすすめのレンズは次の2種類
レンズキットは性能があまり良くありません。ということで初心者にもおすすめのレンズを2種類紹介したいと思います。
超明るい単焦点レンズ
単焦点レンズはおすすめ度No1です。
単焦点レンズはレンズの性能を示すF値が2以下が当たり前の製品がほとんどです。F値が極端に低いため、単焦点レンズは次のような特徴が挙げられます。
- 暗いシーンに格段に強い!
- 背景ボケが超得意!
この写真はキャノンの単焦点レンズでイルミネーションを撮影したものです。
これくらいの暗さでも手振れ無しで撮影が出来ました。このように背景も大きくぼかすことが出来ます。
独特な芸術的な写真を撮るのに向いています。おしゃれなカメラ女子にも人気は高いです。
ただ、単焦点レンズはズーム機能が無いということに注意が必要です。ズーム機能がないため自分の足でズームの代わりにあっちこっち移動する必要があります。
単焦点レンズはメーカーごとにおすすめ商品を紹介しています。一度チェックしてみてくださいね。
明るい標準ズームレンズ
明るい標準ズームレンズは万能タイプのレンズです。
ここでの明るい標準ズームレンズとは、F値が全域でF2.8のものを指します。
明るい標準ズームレンズの特徴は次の通りです。
- 暗いシーンに比較的強い
- ボケも表現しやすい
- ズーム機能があるため便利
暗いシーンOK、ボケもOK、ズームもOKという何でもござれのレンズです。ただ、暗いシーンや、ボケは単焦点レンズには及ばないため究極を求めるのであれば単焦点レンズの方が良いです。
欠点としては価格が非常に高価であることが挙げられます。
例として ニコン標準ズームレンズ(F2.8)の場合は定価が20万円超えで実売価格も10万円以上します。
純正はこのように非常に高いため基本的にはサードパーティ製がオススメです。サードパティ製であれば純正と比較しても安価に購入が可能です。
シグマの17-50mm F2.8 EX DC OS HSMを実際に購入してみました。レビュー記事も作りましたのでチェックしてみてください。