ポートレートの撮影では、背景を大きくぼかして人物を強調する方法が多いです。そのためズームレンズではなく単焦点レンズを選択する人が多いです。私もポートレートを撮影する際には必ず単焦点レンズを持っていきます。今回はニコンのおすすめのポートレート用のレンズについて解説します。
目次
ニコンのおすすめのポートレート用レンズ5選。単焦点レンズがおすすめ
ポートレートの定番の焦点距離は85mmと言われています。しかし、85mmは多くのカメラマンが使用する焦点距離であり、個性を出すためにも85mm以外のレンズを使用するのも手だと思います。ポートレートを撮影する際には定番の85mm、少し違う写真を撮りたい場合は105mmなどのレンズを使用するといいでしょう。
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED【FX】
ニコン究極のポートレートレンズ
【スペック】
焦点距離 | 105mm |
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最短撮影距離 | 1.0m |
最大撮影倍率 | 0.13倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
フィルターサイズ | 82mm |
寸法 | 約94.5mm(最大径)×106mm |
質量 | 約985g |
【長所】
・最高の画質
このレンズの解像度は非常に高くポートレート向きのレンズとしては最高の性能を持っているレンズの一つです。開放F1.4から既に解像度が高くて、解像度の低下を恐れて絞るということを行わなくてもいいレンズといっていいでしょう。
・最高のボケ
焦点距離は105mmで開放F値はF1.4です。この組み合わせは驚異的でキャノンのEF85mmF1.2LⅡとほぼ同等のボケ量です。
ポートレートにおいてボケの量というのはとても重要です。背景に余計な被写体が写り込んでいたら見る人は、どうしても気になってしまいます。また、普通のレンズでは撮ることができない領域のボケ量を引き出せるため作品性の高い写真を撮ることができます。
・ライバルのキャノンにはない焦点距離
ニコンのライバルであるキャノンには105mmF1.4は現在時点で存在していません。ライバル不在でニコンの独壇場です。
キャノンユーザーとの差を付けたいのであればこのレンズで間違いないです。
【短所】
・なし
欠点らしい欠点が見当たりません。105mmでF1.4を実現したレンズというのは知っている限り他にありません。とても素晴らしいレンズです。
Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED フルサイズ対応
Art 85mm F1.4 DG HSM ニコン用【FX】
シグマ最高のポートレートレンズ
【スペック】
レンズ構成枚数 | 12群14枚 |
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画角(35mm判) | 28.6° |
絞り羽根枚数 | 9枚 (円形絞り) |
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 85cm |
最大撮影倍率 | 1:8.5 |
フィルターサイズ | φ86㎜ |
最大径 × 長さ | Φ94.7mm × 126.2mm |
質量 | 1,130g |
【長所】
・カリカリの解像力
シグマのARTシリーズの単焦点レンズは極めて解像度が高いことで有名です。かつてシグマは純正の廉価版レンズを販売する、というイメージのメーカーでした。しかし、単焦点のARTシリーズをリリースしそのイメージを一気に覆しました。
解像度は極めて高く開放から中央、周辺の解像度はとても高いです。F5.6で最高性能となりますが、開放でも解像度は非常に高いです。開放から安心して撮影に臨むことができます。解像度においてはAF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gよりも上です。
しっかり統計を取っていませんが、私の周りでは特に20代の若い世代に人気が高くベテランのカメラマンはあまり持っていないですね。20代の方はシグマの悪いイメージをあまり持っていないことが多くネットの情報収集力に長けているからだと思います。
【短所】
・重すぎる、大きすぎる
重さは驚異の1,130gです。サイズもほかのレンズよりもかなり大きめになっています。気軽に撮影する人にはかなり厳しい重量です。
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G【FX】
ポートレート入門モデル
【スペック】
焦点距離 | 85mm |
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レンズ構成 | 9群9枚 |
最短撮影距離 | 0.8m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
絞り羽根枚数 | 7枚(円形絞り) |
最大絞り | f/1.8 |
最小絞り | f/16 |
フィルターサイズ | 67mm |
寸法 | 約80mm(最大径)×73mm |
質量 | 約350g |
【長所】
・コストパフォーマンスがいい
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gの定価は72,900円で、入手しやすい価格設定です。上位のモデルでは定価が20万円を超えることも多いです。ポートレート初心者の方には一押しのレンズです。
・画質は良い
画質は同価格帯の他のレンズと比較しても高性能です。解像度はとても高くクリアでシャープなのが特徴です。あとで紹介するAF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gと比較しても画質において引けを取らないほどの解像度感があります。
・軽量コンパクト
重さは350gしかありません。軽くてコンパクトなのが特徴です。気軽に持ち運ぶことができるのはありがたいですね。
【短所】
・絞りF1.8
絞りF1.8であるのが弱点です。F1.4で撮影したい場面には対応できません。ただ、通常のポートレートであればF1.8で十分な場合が多いです。
Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G フルサイズ対応
AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G【FX】
定番のポートレートレンズ
【スペック】
焦点距離 | 85mm |
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レンズ構成 | 9群10枚(ナノクリスタルコートあり) |
最短撮影距離 | 0.85m |
最大撮影倍率 | 0.11倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
フィルターサイズ | 77mm |
寸法 | 約86.5mm(最大径)×84mm |
質量 | 約595g |
【長所】
・画質がいい
中央の解像度や周辺解像度も十分に高く優秀なレンズです。開放F1.4でも解像度は高くて十分実用的な解像力があります。ニコンのポートレートレンズの定番モデルといっていいでしょう。
・85mmF1.4
焦点距離は85mmF1.4ということでまさにポートレートのために開発されたようなレンズです。野外や室内の双方で威力を発揮するでしょう。
【短所】
・高価
AF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gは価格が高価すぎます。定価は253,800円でキャノンのEF85mmF1.2LⅡと同じくらいであるのは良くないですね。
Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G フルサイズ対応
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G【FX】
【スペック】
焦点距離 | 58mm |
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レンズ構成 | 6群9枚(非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり) |
最短撮影距離 | 0.58m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最大絞り | f/1.4 |
最小絞り | f/16 |
フィルターサイズ | 72mm |
寸法 | 約85mm(最大径)×70mm |
質量 | 約385g |
【長所】
・画質
画質は良いです。AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDなどと比較すると解像度は劣りますが、このレンズの独特な雰囲気は格別のものです。
・焦点距離58mm
焦点距離58mmというのは少し特殊ですね。ポートレートでは50mmでは引きすぎだと感じることが多く、不便に感じる場面も多々あります。58mmであれば50mmよりもやや寄り気味で撮影することができます。
【短所】
・価格
定価は226,800円です。コストパフォーマンスはよくないです。値段の割に画質もそこまで期待できませんね。
個人的には定価15万円くらいが妥当なのでは?と思ってしまいます。
FXレンズを中心に紹介したけれど、DXでおすすめは?
DXのおすすめレンズは・・・特になし。
ニコンのDXレンズの単焦点レンズは、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gです。これ以外は現在発売されていません。
しかし、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gは焦点距離が35mmで換算50mm前後となります。
APS-Cの方でこれ一本でポートレート撮影を行うのは少々厳しいと思います。
APS-C機種を使っている方はFXレンズの50mm~85mmの単焦点がおすすめ
D3500やD5600などのAPS-C機種を使っている方は、FXレンズの50mmから85mmがおすすめです。
ポートレートでは単焦点レンズが基本です。ニコンのおすすめの単焦点レンズについてまとめました。APS-Cでポートレートレンズはこちらの記事が役立つと思います。
【おすすめの記事】
ポートレート撮影ではマニュアル撮影が基本です。マニュアル撮影する方法を解説したので、是非挑戦してみてください。
一眼レフの基礎知識を覚えてポートレート撮影に応用しましょう。